将来性を見極めができる行員の養成に取り組む考えを示した。

大手銀の預金はマイナス金利導入後の2月末時点で前月末から8.4兆円も増えた。
国債利回りがマイナスになったことで、運用に困った機関投資家などの資金が流入しているためだ。
預金が増えれば日銀当座預金の利払いも膨らむ。
だが小山田氏は預金金利をマイナスにしたり口座維持手数料を導入したりすることに否定的な見方を示した。
そのうえで顧客に納得して手数料を受け入れてもらえるような付加価値を付けた新しい預金サービスを検討する考えを示した。
マイナス金利は 中長期的に需要を喚起する一方でマインドを萎縮させた。
日銀がマイナス幅を拡大するには状況を見定めることが必要だ。
マイナス金利政策の導入を受け、銀行には利ざやの縮小に加え、運用商品に対する投資家の様子見姿勢が強まるなどの悪影響が及んでいる。
小山田氏はマイナス金利政策は短期的に銀行の収益を圧迫すると指摘。
中国経済の減速や米国の利上げなどが国内経済の逆風になり低金利はかなり続くと予想した。
そのうえでマイナス金利政策の副作用に言及し、日銀がマイナス幅を広げる追加金融緩和に動くことをけん制した。
事業承継や相続などの顧客ニーズをつかめば、ビジネスチャンスになる。
赤字の中小企業に対する融資でも、手続きを簡素化したり、競争力などを把握す る力を高めたりして、踏み込んで対応したい。
小山田氏が強調したのは金利競争を仕掛けて融資を伸ばすことはしないという点だ。
少子高齢化に伴う課題を企業とともに解決するなかで新たな需要を創出できれば、利ざやの縮小による収益悪化も緩和できる。
これまで赤字の中小企業には新規融資が難しかったが、将来性を見極めができる行員の養成に取り組む考えを示した。